犬惑星

『ゆるキャラ論』著者・犬山秋彦のブログ

草稿について

ワーキングプア死亡宣告 (晋遊舎ブラック新書 13)作者: 巨椋修,犬山秋彦,山口敏太郎出版社/メーカー: 晋遊舎発売日: 2008/11/22メディア: 新書購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (13件) を見る11月22日に発売する『ワーキングプア死亡宣告』…

さよならブッシュ記念

■第2話 ■第5話

『ワーキングプア死亡宣告』草稿 7/7

■「自己責任」という名の弱者切り捨て ワーキングプアは自己責任だという意見があります。貧困に陥るのは世間が悪いというよりも、本人に責任があるのではないかというのです。 もちろん努力もせずに結果だけを求めるのは間違っています。働くのは嫌だ、でも…

セカイ系の正体

セカイ系作品が抱えているテーマ性と、統合失調症をはじめとする精神疾患を抱えている人の世界感というのは共通する部分がある。 つまり「何者でも無い自分」に耐えられないのだ。 誰からもかえりみられず、無視されるような透明な存在である自分というのは…

ポニョと漱石、その後

親子という病 (講談社現代新書)作者: 香山リカ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/19メディア: 新書購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (23件) を見る漱石は死ぬまで「母に愛されなかった」という思いを抱いていたらしい。 なるほど、宮崎駿…

都井睦雄は元祖・ニコ厨だった

津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)作者: 筑波昭出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/10/28メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 210回この商品を含むブログ (74件) を見る「阿部定は好き勝手なことをやって、日本中の話題になった。わしがど…

オカルト消費

『ワーキングプア死亡宣告』 山口敏太郎・巨椋修・犬山秋彦 晋遊舎・ブラック新書 11/22発売 http://www.shinyusha.co.jp/ まずはちょっと宣伝を… 11月10日に晋遊舎のブラック新書から『ワーキングプア死亡宣告』という新書が発売します。 山口敏太郎氏…

ポニョの正体はユメナマコ?

■JAMSTEC - 深海ギャラリー http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/enlight/umihoshi/learning/link_win/3_2300_gall14.html■古世界の住人・川崎悟司イラスト集 - ユメナマコ http://kawa3104.at.infoseek.co.jp/yumenamako.html タイトルは単なる思いつき。根…

『絶叫☆都市伝説 〜観光スポットの怪談〜』

著: 秘山密彦 発行: 山口敏太郎事務所 価格/315円(税込) 観光地が自殺スポットになってしまうということは、よくある。ひと昔前ならば華厳の滝や阿蘇山の噴火口などが自殺の名所と呼ばれた。さしずめ今は、その役割をアミューズメント施設が引き受けて…

オレはポニョが好きだ

サカナのポニョも 半漁人のポニョも 人間のポニョも、好きだ - http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080803/p1#c メッセージというのは、 相田みつをくらい ストレートでないと 伝わらないものなのだ。 つくづく痛感した。 『崖の上のポニョ』という作品が …

月蝕歌劇団 『<津山三十人殺し>幻視行』

数年ぶりに月蝕歌劇団を観てきた。 かつてのような華やかさはないけれど質実剛健で、安心して暗闇に身をまかせることの出来る良い舞台だった。知らない女優さんばかりだったけれど、巧いとかヘタではなしにその演技に感情を揺さぶられた。 『津山三十人殺し…

ポニョとルナティック

昨日、夏目漱石の話を書いていて、ふと古い友人のことを思いだした。 精神病院に強制入院させられた例の彼と会った日に書いた日記があったので、ハードディスクを発掘してみた。 『こころ』だと思っていた文庫本は、『それから』だった。 なるほど、僕は彼と…

ポニョと漱石

宮崎駿監督がポニョを作っている間、夏目漱石をずっと読んでいたというし、「崖の上の」というタイトルや主人公の名前は夏目漱石の小説『門』からとられているという。 しかし、どこにどう夏目漱石がポニョに織り込むまれているのか、そこを指摘している人が…

ヤンキー回帰としてのポニョ

『ジブリの森とポニョの海』を立ち読みしていたら、ロバート・ホワイティングとの対談で「ポニョは笑えるような映画じゃありませんから」と断言していた。*1「ええっ!? そうなの?」と驚いてしまった。少なくとも、劇場で観ていると何度か観客がドッと笑う…

崖の上のポニョ

※ネタばれ注意 642 :名無シネマ@上映中:2008/08/16(土) 09:45:13 I D :XgCLQ9v3 <略> 一連の物語を、もう一度生まれるためのイニシエーションと考えれば、 アレは死後の世界というより、洪水語の世界は生まれる前の胎内だよね。 「死ぬっていうのは、生…

本当はあまり怖くないポニョの都市伝説

http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080803 ※ネタばれ注意 せっかくなので、もうひとつ都市伝説風に解釈してみた。 みんな誰もが最初に思う、「海水魚を水道水で飼ったら死ぬだろ」というツッコミ。実はこれが物語の伏線だったのだ。あの時点で、まずポニョ…

本当は怖いポニョの都市伝説

- 誤解が多いので、ポニョ関連の記事をまとめました。 一番お勧めは「ヤンキー回帰としてのポニョ」です。 監督がなぜ、こんな珍妙な映画を作ったのか、理解しやすくなるのでは… リアルライブ版『本当は怖いポニョの都市伝説』 http://npn.co.jp/article/det…

一億総犯罪者予備軍

◆十六歳少女が斧で父を惨殺 http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20070922/ 16歳の少女が斧で父親を殺し、それがアニメの影響だとして放映が中止になったことがあった。 その時、ネット上に書き込まれた言葉が「斧女、死ね」だった。 殺人を犯した者を戒める…

きぐるみテロリズム

自分は、大量殺戮を企てるかわりに着ぐるみを選んだのだと思う。 最初に着ぐるみを作った動機は、一種のテロリズムだった。 安穏と平和な毎日過ごしている人々の日常を襲撃し、掻き乱してやろうという悪意が発端だった。 遊園地でもなく、イベントでもなく、…

オタクと格差と絶望感

秋葉原の無差別殺傷事件で、被害者の方と自分の本名がかなり似ていた為、心配されてしまった。どうも周囲からは秋葉原に通っているというイメージを持たれているらしい。 僕はオタク趣味というのはもともと一種の精神疾患だと思っている。だいたい、そういう…

まぜまぜのべる雑感

■まぜまぜのべる http://www.mazenove.com/ 個人的にこのシステムは非常におもしろいと思っているんだけど、ネットニュースに取り上げられたわりに低調な感じがする。 まあ、アップされてる作品が少なく、魅力的な作品にたどりつけるようなシステムになって…

サウンドノベル 『絶叫☆都市伝説』

まぜまぜのべる公開ゲーム:絶叫都市伝説 『オレに取り憑いた少女』まぜまぜのべる公開ゲーム:絶叫都市伝説 『のぞく人形の怪』はてなだとスクリプト表示できなかった… ■犬山デザイン製作所 http://mt-dog.jugem.jp/?eid=120

映画『L change the WorLd』

ハッキリ言ってモンド映画だろ、コレは…いや、誰の目から見ても明らかにフィクションだから、ホントはモンドじゃないけど、この猟奇で悪趣味なウィルス描写をクソ真面目にやる姿勢というのはどこか狂ってる。なんか差別意識とか教育的配慮とか一切ナシで、こ…

なるたる

なるたる(1) (アフタヌーンKC)作者: 鬼頭莫宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/08/19メディア: コミック購入: 9人 クリック: 229回この商品を含むブログ (84件) を見る 年末から、仕事の関係上ワーキングプアについて色々調べている。 最初のうちはすぐ…

小林大吾 『詩人の刻印』

中原中也は朗読することを前提に詩を書いた。 女たちは、目の前で朗々と不可解な言葉を並べ立てる小柄な男に最初のうちは微笑みを浮かべ、やがてあきれ果てたという。 たしかに中原中也の詩集がいまだに文庫コーナーで平積みになっているのは、ソフト帽に羅…