犬惑星

『ゆるキャラ論』著者・犬山秋彦のブログ

まぜまぜのべる雑感

 
まぜまぜのべる
http://www.mazenove.com/
 
個人的にこのシステムは非常におもしろいと思っているんだけど、ネットニュースに取り上げられたわりに低調な感じがする。
まあ、アップされてる作品が少なく、魅力的な作品にたどりつけるようなシステムになっていないし、そもそも制作するにはそれなりの時間がかかるし敷居も高い。使える素材も今のところは足りない。
 
だけど最大の要因は、みんな使い方がわからないということだと思う。
ゲームの作り方ではなく、このサービスを利用した「遊び方」みたいな部分が。
 
ニコニコ動画があんなに面白いのは、オトナが想定しなかった遊び方をユーザー側が発見し、悪ノリしながら大騒ぎをしはじめたからだ。
たとえばチャットに使ったり、ただテキストにBGMをつけて流したり、一種のP2P代わりに悪用されたりもしている。
遊び方の幅が拡がれば、動画を作成する側のモチベーションも上がるし、何より動画作成のノウハウが蓄積されて敷居も下がる。
 

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今の状態だと「まぜまぜのべる」に将来性って感じられない。
 
みんな必死過ぎて、遊びがないというか……
生真面目というか、本気でゲーム作ろうとか思ってるから二の足踏んで、結局何も作らずじまいに終わってしまう。
「文章書いたことないけど、ライターになりたいんです」とか、「俳優になりたいけど何もしていません」みたいな、もどかしい自己実現願望をとりあえず吐き捨てるためだけの掃き溜めになっている。
英会話の教材を買っただけで満足している感じ。
 
普通は、こんな楽しいオモチャを与えられたら、まずココロ社さんみたいな遊び方をするだろうに…
http://b.hatena.ne.jp/entry/7822837
 
はてなダイアリー」では無理だけど、スクリプト表示できるブログなら記事に貼り付けることができるわけだし、ただ単に日記にBGMを付けるだけみたいな使い方だってできるはず。
自分で撮った写真を背景にして、アルバム代わりにしてもいい。たとえば愛犬の写真にコメントつけたりとか。
 
絵も描けない、曲も作れない、文章も書けないという人だって、たとえば青空文庫から名作をひっぱってきてBGMや風景を付けてリミックスしたり、ネット上のニュース記事や2ちゃんねるの「泣ける話」や「萌えた体験」からネタを引っ張ってきてもいい。
 
↓試しに、こんなの作ってみた。
http://www.mazenove.com/game/gamePlay.php?ip=1046
 
音響効果で何でもない言葉が意味深に感じられてくるから不思議だ。
ひぐらしのなく頃に』なんて、最初に聞こえるヒグラシの声だけでクラッとしてしまう。
これは悪意をもって使えば、凶悪な洗脳ツールにもなるし、感動を誘発するサプリメントにもなる。
 

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せっかくSNSなんだから、もうちょっとユーザー同士のつながりを強めるシステムがあってもいいような気がする。
それによって一種の創作サークルみたいなのが出来て、新しい作品が生まれるかも知れない。
あと、ぽっけ登録するでランキングがあれば作る側のモチベーションもあがるし、プレイヤー側としても面白い作品に出会えるチャンスが増えるだろうに。
 
4月15日から正式版を公開して、今のところ会員数が1895名というのは、ネットサービスとして致命的な気がする。