犬惑星

『ゆるキャラ論』著者・犬山秋彦のブログ

リテラシーの壁

 
最近、馬鹿をリテラシーの壁で囲いこんで、どんどん損な方へ損な方へと誘い込んでる気がする。
 
もう何年も前、地デジ対応のテレビを見に行った時には、チューナー付きのテレビだけじゃなくてアンテナ工事が必要でどーのこーの面倒くさそうだったので止めてしまった。
今回、パソコンを買い替えるのでついでに地デジ対応にしようかなと思って再びお店で話を聞いたりネットで調べたら、やっぱりややこしい。
なのでアナログ放送が見られるチューナーでいいですと言ったら、もう販売してないというようなことを言っていた。
おそらく自作すればいいんだろうけど、そこまでしてアナログ放送が見たいわけでもない。
 
とりあえず仕方ないので地デジチューナーは入れた。
でもアンテナ工事をすると、2011年に現在の東京タワーから「すみだタワー」に移行するとき、アンテナの方角を修正しないといけないらしい。
そういうことも含めて、今使ってるフレッツの地デジ・サービスにしようと窓口で相談してみた。
すると、どうもうちのマンションはサービスの対象外であることが判明*1
 
ここまで地デジにする気満々なのに、なんだろう、この敷居の高さは。
まあ、普通にアンテナ工事すればいいんだろうけど、そもそもデジタルなのになんでアンテナが必要で、風が吹いてアンテナが傾いたり壊れたら受信できなくなるような仕組みを有料で受け入れなければならないのか、納得がいかない。
以前、中川大地さん(id:qyl01021)に誘われて『新タワーから考えてゆく まちづくりミーティング』というのに参加した時にはそれほどピンと来なかったけど、今頃になってようやく「地デジも新タワーも要らなくね?」って気がしてきた。
特に我が家はテレビに高画質を求めてないので、インターネットテレビとかワンセグで十分だし、技術的なことはよく知らないけど既にギガ単位の速度が実現してるんだから2011年頃にはネット経由でハイビジョンとか普通につながるんじゃないかと思う。
っていうか、だったらそっちの技術開発や普及に金を使うべきでは……
 
まあ、一番納得いかないのは官僚の天下りや、企業の利権や、景気を刺激するために庶民が手間と出費を強いられるって部分だろう。
老人にチューナーを無料で配布するという話もあるけれど、アンテナ工事とかも込みなんだろうか?
チューナーだけ配っても、どうにもならないだろうと思う。
缶切りがない被災者に缶詰で食料を支給するようなもの。
しかも「この缶詰は最新技術を駆使してるので、どんなショックにも耐えられます」みたいな、歯でガジガジしても岩で叩いてもびくともしない頑丈なヤツをあげて、「はい、食べられないのは自己責任」と言ってるような感じ。
ワンセグあげた方がよっぽど良心的だろ。
 
娯楽も情報もネットで足りるけど、たまには自分で選別したわけじゃない「垂れ流しの情報」を摂取しておきたい時もある。
あとは最近、間接的にテレビ関係の仕事があったりもするので、自分が関わったものは録画して保存したいというのもある。
場所と時間を奪われるのが苦痛なので、もっぱらニュースとかは録画したやつをMP4に変換して通勤時に見てたりするんだけど、今放送してる番組をリアルタイムMP4ファイルでダウンロードできるなら、普通に数十円くらい出すよなあと思う。
とりあえず地デジに対しては消極的なので、USBでつながる室内アンテナとかでいいような気がしてる。
 
地デジ移行を機会にして、みんながテレビを見なくなればざまあみろと思うが、うちの親とか見てるとそういうワケにもいかないだろうな。

新東京タワー(スカイタワー)を考える会
http://sumidatower.org/index.htm
 

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東京ディズニーランドのショーレストランの予約がインターネットでもっと便利に快適に!
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/plan/info/rest_reserve/index.html
 
リテラシーの壁といえばコレ。
 
たしかに今は開演前から並んでオープンと同時にダッシュで予約窓口に行かないと間に合わない状況らしいので、便利なサービスだとは思うけど、ネット環境のない人はショーを見る事が出来なくなるっていうのはどうかと思う。ネットカフェとかいろいろあるけど、携帯電話でワンクリックとかならともかく、今さら携帯未対応のネット予約オンリーはないだろう。
 
昔は閑散期に行けばたまたま席があいててすんなり入れたけど、これからはネットがないと100%観られなくなる。
周囲にはパソコンが使いこなせてない人なんてたくさんいるし、そもそも人生においてパソコンという選択肢が無い人ってまだまだ多いと思うんだけどなあ。
 
前日から並んで朝ダッシュしてという極一部の人達への対策なんだろうけど、だったらなおさら電話予約とか、地方に住んでる一般家庭のおじいちゃん・おばあちゃんでも頑張れば何とかなるできるシステムにして欲しかった。コストがかさむのはわかるんだけど……。
 

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3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

ハチクロ』も良かったけど、どうしても「親の金で学校行ってるくせに」みたいな「ひがみ根性」が発動して、まともに見れなかった。
べつにフィクションにリアリティとか整合性は求めていないし、作者が描いてない部分に対して「あれが足りない」みたいな意見は的外れだとは思う。
なので、作品が受け入れられるか否かというのは、単に自分に身近なテーマかっていうのと、どれだけ感情移入しやすいかというだけの問題なんだろうな。
 
3月のライオン』は良い。
正直、最近は自発的にマンガを読もうという気にならなくて、妻が買ってくるやつをたまに手にとる程度なんだけど、次の巻が心待ちなのはコレくらい。
面白いマンガやアニメやドラマはたくさんあるけれど、最近は仕事も忙しいし処理しきれない情報が多すぎるのであえて娯楽の部分はカットしている状態。
まあ、娯楽と仕事の区別がつかない職業なので苦痛ではないし、幸いなことに最近は新しいジャンルの仕事が多いので娯楽作品に頼らなくても知的興奮を味わうことは多い。
 
こんな状況でもあえて読みたいのは、山本ルンルンの『マシュマロ通信』くらいかなあ。ふだん猟奇的で毒気の多いものに接してる反動なのか、あるいは単なるぬいぐるみフェチなのか、他のどんな作品よりも問答無用で好きだったりする。
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=32507

*1:※マンション・タイプなので、管理会社に頼めということらしい