犬惑星

『ゆるキャラ論』著者・犬山秋彦のブログ

ポニョまとめ

 
2月5日に『崖の上のポニョ』がテレビ初登場ということなので、
過去に書いたポニョ関連の記事をまとめてみた。

ファンの期待を裏切ったうえで、さらに楽しませるというのが
クリエイターにとって究極の願望だと思う。
 
そういう意味で、ポニョはエヴァンゲリオンに近い。
エヴァもTVと旧劇場版て、
最終的には「萌えたくていったのに、萎えさせるんじゃねえよ!」って話だし。
 
その延長で、ポニョ批判なんて結局、
「オレはそんなの求めてませんから!」って声でしかなかったわけだ。
 
恋人が毛糸でセーターを編んでいたから、
てっきり自分へのプレゼントだと思ってワウワクしてたら、
全然違う男へのプレゼントだった……みたいな?
 
タイトルのせいか検索エンジンから「本当は怖いポニョの都市伝説」に行き着いて、
それだけ読んで憤慨して帰って行く人が多いんですけど、
個人的なオススメは「ヤンキー回帰としてのポニョ」です。
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080817
 

                                                            • -

 
リアルライブ版『本当は怖いポニョの都市伝説』
http://npn.co.jp/article/detail/00885423/
 
本当は怖いポニョの都市伝説
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080803
 
本当はあまり怖くないポニョの都市伝説
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080805
 
崖の上のポニョ
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080816
 
ヤンキー回帰としてのポニョ
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080817
 
ポニョと漱石
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080818
 
ポニョとルナティック
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080819
 
オレはポニョが好きだ
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080914
 
ポニョの正体はユメナマコ?
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20080925
 
ポニョと漱石、その後
http://d.hatena.ne.jp/dog-planet/20081027
 

                                                            • -

 
◆追記2010.02.03
 
ひさびさにポニョについて考えてしまった。
 
崖の上のポニョ』が気持ち悪いと言われるひとつの要因。
それは、宮崎駿と世間一般の「家族観」が乖離しているせいかも知れない。
 
人は現実の人間関係が類型化できるもんじゃないとわかっていながら、
フィクションの中には「無条件に優しい母親」だとか「父の背中を見て育つ息子」みたいな幻想を求めてしまう。
 
しかし、宮崎駿はそんな期待に応えようとはしない。
たとえ血が繋がっていとうとも、母や子というのは結局ひとりひとりの人間で、自分の思い通りになんてならない。
それぞれにエゴがあり、好き勝手に生きている。
子供がだっこして欲しいとき、だっこしてくれない母親だっている。
そんな当たり前のことをアニメで表現しただけなのだ。
 
でも、そこが気持ち悪いんだろうな。
夢見るつもりで映画館に行ったら、現実を突きつけられてしまった。
そりゃまあ、怒るのも仕方ない。
 
でも、「母親だってひとりの人間なんだ」みたいな部分に、子育てに追われ疲れかけている母親なんかは癒されるのかも知れない。
 
そういえば小学校低学年の頃、
担任の教師を半分小馬鹿にしてクラス全員で悪ふざけしていたら、
「先生だって人間なのよ!」みたいに激怒されたことがあった。
聖人君子みたいに何でもかんでも許せるわけじゃないのだと、
そういうような意味だったのだろう。
 
ちょっと困ったものを見せつけられてしまった感じは似ている。